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冴えかえりつつ 恋

第14章 告白

上出が部屋に戻ると、遥暉がベッドの上で膝を抱えていた。


「どうした?」


少しすねているようにも見える。


「先輩たちをここに招いて、かえって迷惑かけたような気がして…」



遥暉は怪我のために中学校の修学旅行へは行っていない。
もう少しワイワイやりたかったのだろう。



「そんなことないって、山口さんなんかすごく楽しんでたぞ。寝れないなら、内緒で将棋でもするか。
ベッドサイドのライトだけでなら、それほど電気も使わないから大目に見てもらおう」




上出の言葉に、遥暉が嬉しそうに顔を上げた。


「はい、先輩と将棋なんて小学校以来ですね」



久しぶりに無邪気な笑顔だ。


「だな、放送室でよくやったよな」




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