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冴えかえりつつ 恋

第14章 告白

「あ~~あぁ、負けたぁ。どこでうち間違えたんだろう。おかしいなぁ」


上出は布団にもぐりこんで、まだ将棋盤を眺めている遥暉を頬杖をついて眺めていた。


「もう寝るぞ」


遥暉が将棋盤を片づけライトを消して布団に入った。


上出は何気なく遥暉に背を向け「おやすみ」と声をかけ目を閉じた。


普段は寝つきの良い上出だったが、先ほどの隣の部屋のことが気になって寝つけない。


背中に感じる遥暉の気配も上出を緊張させた。


―――トクトク、・・・・・ドクドク・・・・

ドクドクドクッ、ドクッ、

ドクッ!、ドクッ!!


上出の心臓が遥暉に聞こえるのではないかと思うほど、大きく脈打っていた。


不意に風の音に混じって、声が聞こえた。



―――ン・・・、あ、ぁっ・・・。

―――ふぅ、ん、





・・・・・喘ぎ声?・・・隣の部屋・・・?



--勘弁してくれ!!


上出は心で呟きたまらず寝返りを打つと、遥暉の顔が正面にあった。


暗闇なのに間近過ぎてバッチリ目があった。


「わぁあ!」


ドサっ! 遥暉が大きな音を立ててベットから落ちた。


「大丈夫か?!遥暉?」


上出は驚き飛び起きて遥暉をベッドに拾い上げた。



「だ、だ、だ、大丈夫です」


「プッ、ハハハッ。お前って落ち着いたように見えるけど、時々やらかすな」


上出が声を上げて笑った。

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