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冴えかえりつつ 恋

第14章 告白

遥暉は上出が‘どうした?’ではなく‘やらかす’といったのは、先ほどの喘ぎ声に自分が動揺して過剰反応です失態をしたということ、と察した。


遥暉は、なぜそんなに冷静にしていられるのか、気持ち悪いとか思わないか・・・・・・、聞きたいことが頭をぐるぐると湧いてうまく言葉にならない。


「――あの・・・今の・・・。お・・・こど・・・」


「・・・・・・」



うまく言葉にならない遥暉に、ため息交じりに答える上出。


「男同士?男子校なんて、マスの掻きっこなんて当たり前っていうからな」



上出の口調は大したことではないと言いたげで、遥暉はモゴモゴ口ごもった。


「いつ・・・きづ・・・・・」


「いつ気付いたかって?山口さんの独占欲むき出しなの見てたら、そうかなって」


「・・・・・・」


「それにあとから岡田さんに諭されて戻ってきてから雰囲気よかったし」



しかし上出が言い募るたび、遥暉の驚きに息をのむ気配が伝わってくる。



――まずいかな。



暗闇で表情は見えないが、遥暉が上出を見ているように感じた。




「・・・・・・」


遥暉が何か言いかけて不意に押し黙り、上出は遥暉との関係が変わることを恐れ、それ以上の話を切り上げようとした。


「寝るぞ」



上出がベッドに入った瞬間、遥暉が呟いた。



「す・・・き・・・・・・」




――しくじった




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