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冴えかえりつつ 恋

第15章 これからも

昨日の豪雨がうそのような晴天。


朝食の後、離れへ虫干しをしている調度品を見に行くことになった。

服のクリーニングが出来上がるまで、暇つぶしに行くように勧められたのだ。
 


夕べ泊まった洋館から離れへの渡り廊下を歩きながら、昨日は雨でゆっくり見られなかった庭が目に入る。


「新緑がきれいですね」


「うん、皐月が色鮮やかでいいね」



前を歩く遥暉と泰弘が庭園に感嘆している。



--男子高校生の会話には思えない苔むした会話。本当に感性が似ているのだ。この2人は。
遥暉と岡田さんとは長い付き合いになりそうだな。



上出は可愛らしい容姿に似合ぬ話をする二人の後について歩く。



「お前らジジィみたいなこと言ってんな。半世紀たっても同じ会話してそうだ」


と、山口が笑った。



つまり50年後も、この交流は変わらず続いているだろうというのだ。

上出は同じようなことを考えていたので笑った。


「お前でも笑うンだな」




 山口がふと立ち止って意外そうに上出の方を見た。

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