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今でも私の目に涙

第1章 初めて

まさかこんな事になるなんて、予想もしてなかった。

私、茨優乃は無事高校へ入学した。

学校が始まって数日が経ったある日の事。
登校時に私の隣を通って行った同じクラスの男子。
確か名前が速水恭(はやみきょう)。

私は、教室で楽しそうに皆と話している速水を見入っていた時、彼は視線に気づいたのか目があった。
とっさに目をそらしたが、彼から私に寄ってきた。

「どうしていつも1人なの?」

そう言う彼は、とても心配そうだった。

「…人見知りで……。」
彼は私を見つめていてくれたが、私はその目をずっと見ることが出来なかった。
そして、頬が真っ赤に染まって行くのを感じた。

少し間が空いて、「そっか。」っと返事が返ってきた。
それから、私の席の前に座って携帯を取り出した。

ボタンを押す音が聞こえてきた。
それから数秒後、携帯の画面を此方に向けてきた。

「これ俺のメアド。登録してくれる?」
そう言う彼は、とても可愛かった。


それが私達の出逢いだった。

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