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「…ちゃん」

「結衣ちゃん？」

竜司さんの声で我に返る


慌てて竜司さんに顔を向けたけど震えが止まらない


「結衣ちゃん、どうしたの？顔色が悪いけど…」

「大丈夫です…久々に買い物に出たので疲れたのかも…」

震えを止めようと手に力を入れながら必死に答えた

「急いで食べて早く帰ろうか。食べられそう？」

竜司さんにいつもの笑顔はなく、心配そうに私の様子を伺っていた

食事はほとんど手をつけられず、その後竜司さんとどんな会話をしてどのように帰ってきたのかもわからなかった


『勝手に女が俺に貢いでくんの』

ずっと翔太の言葉が頭から離れなかった

『この前の女はすごかったな。結婚って勘違いして俺の口座に金振り込んでたしな』


ホントにあの翔太なの？

今日見た翔太は私の知らない翔太だった

結婚しようって言ってきたのは翔太じゃないっ
私が勝手にお金を振り込んだ訳じゃないっ

違うっ

あれは翔太じゃない


気づけば部屋に籠もってずっと同じ事を考えていた