さよなら、またね。
第5章 夢から醒めたら
蒼士とは、あの夜以来会ってない。
連絡先すら交換しなかった。
ううん、出来なかった。
私たちはあまりに似過ぎてて、傷を舐め合うことしかできないから。
大人だもの、少しの寂しさは我慢できる。
そんな風に言い聞かせるようにした。
離婚のために取った有給と、別々に暮らすための準備が気を紛らわせてくれる。
元夫との荷物を片付けながら、扇情的な夜を想うほどに、未練は薄くなっているんだと実感した。
あの人は、今、何をしてるんだろう?
何を考えてるんだろう?
誰を............