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嘘でもいいから

第6章 行き場のない想い

想さんは、黙って私の話を
聞いてくれていたけど…
その優しげな顔立ちが
怒りで赤くなっているように見えた。


「あ、でも…大丈夫だったんです。
目が覚めて…そしたら
ちょっとしたことで怒らせてしまって。
ホテルの部屋で
朝まで一人で過ごしました…」


話し終え想さんを見ると…
難しい顔をしてしばらく黙っていた。


気まずい沈黙…


「優花ちゃんが本気で彼のことを
思っていたのなら俺は何も言わないよ。

その彼が、何でそんな行動に出たのか
俺にはわからないけど…
どちらにしてもろくでもない
男なのは間違いない。
未練は無いんだよね?」


私はコクンと頷いた。

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