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嘘でもいいから

第6章 行き場のない想い

その日は部長が
アメリカ出張から帰る日でもあった。


「お疲れ~」


「お帰りなさい!お疲れ様です」


失礼だけど、タヌキみたいな見た目で
気さくな部長は部下に人気がある。

みんな口々に部長に
挨拶の言葉を掛けた。


「優花ちゃん、向井の予定は〜?」


「今朝から直行で大阪でしたけど…
夕方には戻られると思います」


「そうか~間に合わないなぁ」


部長は大きな包みと小さな包みを
私のデスクの上に置いた。


「ちょっと出てくるからこれよろしく。
こっちはみんなのお菓子ね。
あとこっちのデカイのは向井に…
出産祝いみたいなもんだ。
かわいいぞ~!
優花ちゃんも後で見せてもらえ。
あっちのものはデザインが違うな〜」

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