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嘘でもいいから

第10章 あの、小さな手〜想side〜

……………………

今思うとおかしな話だが…
優花から実際に連絡が来た時に
どう対応するのか
俺は全く考えていなかった。

そもそも優花は俺よりも先に
サイトに登録していたのに
俺は見つけられなかった訳だし…

SEという職についていながら
俺は最近のこういったものに
かなり疎いということを
思い知らされた。

そんな俺は、
突然届いたメッセージに焦り…
同棲中の彼女が放浪の旅に出た、
なんていう苦しい嘘をついていた。


真奈美に相談すれば
良かったのかもしれないが
優花と連絡が取れたことを
俺はなんとなく言い出せず…

そして優花にも、なぜか
兄と名乗ることができなかった。


そのせいで、まさかあんなことに
なって行くとは思いもせずに…

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