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嘘でもいいから

第10章 あの、小さな手〜想side〜

17年間も会えなかったんだから
その分の愛情を注いでやってるだけだ…
母さんの分まで。


俺はそう思っていた。


そして、兄だとすぐに
名乗らなかったのは正解だったと
いうことに気付いた。


優花は自分には兄弟がいないと
思っていたんだ。

そして、俺が撮ったあの街の写真を
気に入ったと言って褒めてくれたけど
記憶には全くないようだった。


父さんは優花に
どういう説明をしたんだろう。


簡単に確かめる訳にもいかず
俺は完全にタイミングを失っていた。


そして、もう一つ俺を悩ませたのは
偽の優花の存在。

無理もないが、優花はもう一人の優花に
ついての話を聞きたがった。

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