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嘘でもいいから

第12章 好きになってごめんね〜想side

「優花ちゃん自身もそのせいで
浮気されたと思ってるの?
だとしたらそれは違うよ…
一年って短い時間じゃないよ。
特に若い男にとってはね。
彼は優花ちゃんのことを
大切に思っていたんじゃないのかな…
きっと何か事情があったんだと思う。
だからって許される訳じゃないけどね」


泣き止んでいたのに
またゆらゆらと揺れる優花の瞳。


「どちらにしても…
優花ちゃんがお父さんの言いつけを
守ってきたことに間違いなんかない」


優花の小さな手を俺の両手で包み込む。
いいんだよ、優花。
お前は何も悪いことはしていない。

その気持ちを伝えたいと
俺は両手にさらに力を込めた。


「それだけじゃないんです…」

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