☆短☆編☆集☆[新・続]
第1章 家出少年×一匹狼
「いいから飲みな?」
そう優しく僕に微笑み掛けてきた
「うん」
僕はココアのフタに手を掛ける
でも手がガチガチで中々開けられないでいた
「お兄さん...フタ開かない」
「了解」
そう言ってフタを開けてくれた
「ほれ、冷めねーうちに飲め」
僕はココアを受け取り口に含んだ
「あったかい...」
お兄さんはココアを啜る僕をジッと見詰める
僕はそれが気になって上手く飲めなかった
「...お兄さんは何か飲まないの?」
「あー。俺は乾いてねーからいい」
そう言ってふたたび僕を見詰める