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責められたいの

第9章 異国の夜〜淫夢〜【完】

という訳で…
2枚手にしたコインを
3枚に増やしてやろうかと…
一人もんもんと考えていた時だった。

人でいっぱいの夕暮れ前のトレヴィの泉
に、鋭いイタリア語が響き渡った。

振り返ると、背の高い2人組の
白人男性のうちの1人が
小柄でいかにも胡散臭そうな
男の手から私の財布を
奪い返そうとしている。

私…スリに遭ったんだ…!

そう、ここはスリのメッカ。
私のような日本人観光客は
注意に注意を重ねるべきだったのに…

私はコウタのことで
頭がいっぱいになっていたみたいだ。

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