
欲望
第3章 追いかけて追いかけて
とっとっとっ・・・
「あっ先生の足音!!」
瑞波は、教室を飛び出した
「先生っ!」
先生は、ちらっとこちらを見てそのまま歩き続ける
瑞波は、走って追いかける
「先生、おはよ!」
「おはようございます」
「なんで、止まってくれやんの?」
「なんで、止まらなあかんねん。どうせ、用事ないやろ?」
「あるよ!」
「何?」
「昨日、帰ってから何してた?」
「ほら、学校のことと何にも関係ないやん。」
「いいやん。答えてくれてもー」
「はいはい。俺、忙しいから」
荒っぽく、手を振ってこちらを見もせずに先生は行ってしまった
「かっこいい・・・」
瑞波は、走って教室に戻る
「聞いてーーーー!今先生がね、こうやって手を振って歩いていったの」
瑞波は、みんなの前で実演する
「はいはい。よかったねー」
仲川先生一筋のまゆは、相手をしてくれない
それでも、構わず話し続ける
「もぉめっちゃかっこよくない??やばいーーー」
「そう・・・??仲川先生の方が・・・」
「そっちのほうがわからんわ~」
この言い合いは、ほぼ毎日行われる
好みの問題やから仕方ないけど・・・
でも、やっぱり絶対尾崎先生の方がかっこいい♪
