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愛され方の方程式

第2章  暑すぎた卯月

 5,6時間目の授業を聞き流し、掃除をして、HRを聞き流し、放課となる。
 
 部活生は廊下を走って部活動へ行っている。クラスに残っている奴らはただ喋っている。

 俺はほとんど空のカバンを持ち、チャリ置き場へ向かった。

 チャリ置き場へ着くと、誰かが立っていた。

 なんとなく見覚えがあったが、気にせずに帰ろうとした。するとその人が

「あ、あのさ!その...お昼は失礼なこと言っちゃってごめんなさい!」

 どうやら昼間のあの女子生徒だったようだ。

「...別に。てか何で待ってまで謝るの?」

「だって...きゅ、教室では話しかけづらいし、それに...」

 教室という単語で噛みそうになるその女子生徒はまた俯いてもじもじとしている。...純情かよ
 
「それに、何?」

 そう急かすと女子生徒はこう言い出した。

「その...友達になりたいからさ。」

 女子生徒は、笑顔でそう言いそして、俺は何も返せずにいた。

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