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愛され方の方程式

第3章 早すぎた夏

 あいつらが俺に絡み始めて早くも一ヵ月が経った。

 毎日変わらない、平和な日常。
  
  心地いい、五月の日光。

 文句なしの、五月晴れ。


 ......と、思いたい。思いたかった。

「...なーんでこんなにも蒸し暑いかなー。梅雨にはまだ早いぜ...。」
 
 そう。最近は大抵曇りか雨。風も吹かないから無駄に蒸し暑い。そして、さらにこの暑さを倍増させてるのが、

「ねえねえー、いつも家では何してるの~?」

「わ、私も気になります...。お、お友達として...///」

 あー...邪魔くせ~...。

 今年の初詣にひいたおみくじは悪くなかった。なのに何故俺はこんなにもつらい思いをせねばならんのだ...。

 いや、人から話しかけてもらえることを辛いなんて言っちゃ語弊があるだろう。

 でもな、毎日毎日付きまとわれてみろ。すぐさまストレスがピークに達するぜ?

 
 とまぁ、考えててもしょーがねぇ。 取りあえず移動だ。

「いい加減何か反応してy...ん?どっか行くの?」

「...あぁ。ちょっと先生に頼まれ事されててな。お前らは来んなよ」

 俺は二人に向かってそう言い放った後、早足で教室を出ていった。あ、もちろん頼まれ事ってのは嘘だ。

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