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色にでにけり 恋

第10章 決着

水泳部の面々が次々と答える。


「丸山が泳ぎたいと言ったので、体験入部してもらいました。」

「インターバル練習中でした。」




遥暉はうつむいたまま返事をしない。


「遊びならともかく、ターンは腰や足に負担が掛かる。こうなるのは分りきったことだろう・・・・・・。」




事の成り行きを見ていた保坂が、茫然と呟く。



「俺のせい?

見たいって、しつこくしたから・・・?」



保坂を見やった聡は厳しい声で言った。



「君にはこの間言った筈だ…!」


保坂が肩をすくめた。


「今日は事情が分かっている上出君が居たから良かったものの・・・・・・。」




遥暉が聡の袖を引き言葉を遮った。


「兄さん、僕がお願いした事なので保坂さんを責めないで下さい。」




上出は遥暉がこんな無茶をしたことに疑問が残った。




――なぜそこまでする?






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