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色にでにけり 恋

第16章 エピソード 2

扇子は、二本で一対。


俺が持っている扇子は、黒い塗りの親骨に藤の蔓が半彫りされており、開けば『倫典』と名前が彫られている。


一方、遥暉が持っている方は、白竹の親骨に藤の蔓の半彫り、

仲骨は綺麗な透かし彫りが美しく並び、

親骨の裏に『遥暉』と名が彫られていた。



どちらの扇にも、遥暉が好きだという香を焚き染められ、いい香りがしている。


どこまでもディテイルに拘っている。


俺が歌を送って高々1週間。


この短期間で誂えられるものか?


遥暉一人で準備できたものか?


もし、聡さんの手助けがあったなら・・・・・・。


見覚えのある扇子を俺が持っていると知れたら・・・・・・?


考え始めると頭が痛くなってきた。



やっぱり遥暉には保護者が多い。

何度も言うが、

恋愛には保護者が少ないほうが言いに決まっている


二人の恋愛は前途多難だ。


END




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