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庭と 愛犬と 私

第25章 2014.08.19 TUE(3年目

1ヶ月後、

初めて会った時は殆ど丸刈りにされていた毛も、
少し生えそろった状態で、

去勢手術と健康診断を終えて我が家へやってきた。



初日の夜。

餌を上げようとした瞬間、私の手に噛みついた。

私は犬の首根っこを力いっぱい押さえた。

「ギャン」

悲鳴を上げケージの奥へ逃げ込もうとしたのを、容赦なく引きづり出した。


驚いてお漏らしをしていた。


それでも、そのまま首根っこを掴んで持ち上げた。


歯をむいていたから、こちらも真剣に「ガウゥゥゥゥ」

今度は尻尾を丸める。

下ろしてやる素振りを見せると
また歯をむく。

私はまた犬を持ち上げ「ガァワアォ」

驚いてか興奮したのか
彼は糞をポロポロと落とした。

しばらく睨み合っていたけれど、
尻尾がすっかり丸まり、
唸り声も、歯を剥くこともしなくなった。


下ろしてやるとすごすごとケージの奥へ逃げ込んだ。

噛まれた跡を消毒して、
朝までそのままケージの前に布団を引いて寝た。



翌朝、餌を上げる前に
ケージを開けて彼を呼ぶ。

尻尾を丸めておずおずと出てきた。

抱き上げて、腕に抱いたまま、ケージの掃除をした。

彼をボディーシートで綺麗にしてやった後、ケージにもどし扉は開けたまま、餌の支度をした。


ケージの前で呼ぶと出てきて、
上目遣いに私を見る。


餌を脇に置いて、背中をなでる。

後ろ脚を少し強く撫でてやると
お座りした。

一粒ドックフードをあたえる。

また背中を撫で、一粒与える。

そんな調子で1週間で彼は
「お座り」「まて」「お手」を覚え、

2週間で呼ばれたら飛んでくる。

3週間もすると呼ばれなくても、私について歩くようになった。


かくして、彼は私の愛犬となり
私は彼のボスになった。


でも、最近夜中に私の横で仰向けになってイビキをかく愛犬を見ると、
果たして、ボスなのかどうか・・・
自信がない。


まあ、お互い元気で良い関係であることには変わりない。

良しとしましょう。











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