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momo

第3章 その日の夜は


閉店間際の遅い時間だったので私の他にその日来る客はなく、コーヒー1杯を飲んだ後はまた来ますと言って早めに席を立った。

帰り際に目が合った樹くんは優しく微笑んでくれて、律子さんもまたいつでも来て!と言ってくれた。

モモたちはもう帰っちゃうの?とでも言いたげだった。

「また絶対来るからね」

みんなの頭を撫でながらそう言って店を出た。





帰り道は夜だけど月がまるくてきれいでとっても明るくて、さっきまでの出来事を思い返して、今までずれていた世界と自分がぴったり合ったみたいな感じがした。

フランスの何かの映画でも主人公がこんな事を言ってたっけ。なんだっけ。ボブの髪がかわいくて。喫茶店で働いてたりして。ああアメリだ。アメリもきっとこんな感覚だったに違いない。そういえば最近フランス映画見てないな。

そんなとりとめのない事を考えながら家路を辿った。



夜ベッドに入る前に携帯を確認すれば、瑛からの着信が入っていたけれど、今日だけはいい気分で寝かせてくれ!と思い瑛の家の方角に手を合わせて折り返さずそのまま眠った。
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