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恋してキスして抱きしめて

第2章 待て、なぜ俺に頼む?

高校の同級生だった夏輝と俺は、大学も同じ学部で


専攻したゼミやサークルまでもがかぶっていたから、入学しても相変わらず仲が良かった。


……だけど大学2年の時、夏休みが終わっても夏輝は姿を見せず


どっかの国に魅了されたまま戻って来なかったこいつは、結局大学を中退したんだ。


いるよね~そういう奴っていう、典型的なパターン。



「相変わらず自由だな~お前は。
で、明日からどこ行くの」

「フランス」

「は?フランス?」

「本場のスイーツを堪能して、パリの美術館を巡るんだ」

「…………」



なに、その貴婦人の旅行みたいなプラン。


バックパッカーなら、もっと小汚いコアな国に行くんじゃねーの?


まぁ、いいや。


突っ込んだ所で、昔からぶっ飛んでるこいつの考えなんて分かるはずもねぇ。



「それで?」



お互いの近況をざっくり話した所で、本題に入る。



「夏輝。

卒業式に顔出して以来ずっと音沙汰なしだったお前が、俺に何の用?」

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