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恋してキスして抱きしめて

第2章 待て、なぜ俺に頼む?

Yシャツの胸ポケットから煙草を取り出すと、同じく喫煙者の夏輝が灰皿を俺に近付ける。



「ユーリ、相変わらずイケてる面をキープしてるんだな」

「あぁ、良く言われる」

「その辺のアイドルよりもキレイに整ってるよ」

「もうアイドルって歳じゃねーだろ」



スーツを着た白い肌の俺と、ラフな服装で日焼けした夏輝は、傍から見れば対照的だろうな。


煙をはきながら、店員にジョッキを注文する。


すぐに運ばれてきたキンキンに冷えたビールを、喉に流し込んだ。



「仕事、どうよ。
待遇よくても大手は何かとキツイだろ」

「まぁね。
でも俺、営業職って性に合ってるから」

「確かに。
お前昔からよく喋るもんなー」

「で? 夏輝は今何やってんの」



そのイカつい格好を見りゃ、一般的な企業にいないっつーのは分かるけど


夏輝はビールを飲み干すと、けろっとした顔で言い放った。



「旅人」

「…………」

「ハタチの時から変わってねーよ」

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