テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第11章 だって、もう止まらないの

“ 絶対、駅前に立ってたりするなよ。
もし俺より早く着いたら、カフェにでも入って待ってて ”



電話を切る間際、ユーリさんに二度も念押しされて


教えてもらった駅の改札を抜けて、すぐ傍にあるコーヒーチェーン店に入る。


夜の9時半になった今でも、お店の中は多くのお客さんでいっぱい。


勉強したり本を読んでる人も多いから、1人で居ても目立つことはなくて


あたしはアイスココアを注文すると、駅のコンコースに沿って並べられたテラス席に座った。



(……い、いまさら足が震えてきちゃった……)



……明後日の土曜日に逢えないって言われた時点で


あたしの中で、何かが外れた気がしたの。


先週の金曜日に抱きしめてもらってから、逢いたくて、逢いたくて


誕生日とかそんなのはもう関係なくて……とにかくもう一度ユーリさんに逢いたくて堪らなかった。



……この気持ちは、何なのかな……


勢い任せや衝動的で終わらないようにって、言ってくれたのに


我儘で自分勝手だって分かってるのに


………ユーリさんを想う気持ちが溢れてしまって、抑えられないの………

ストーリーメニュー

TOPTOPへ