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恋してキスして抱きしめて

第12章 寸止め、悶絶、もう夢中

………好きって、普通に言っちまったよ。


でも今は、この2文字以外に気持ちを伝える言葉が思い浮かばない。


あーやだやだ。


どんなに普段かっこつけてても、結局こうして素の自分が出るってマジでダセェ。


8コ年上という威厳も余裕も、もはや何も残ってねぇな。



「……ユーリ……」



背中に回った手と、俺の名を呼ぶ声が震えていて


千夏の顔の横に突っ伏していた頭を、ゆっくりと上げる。



「あたしも、ユーリの事が “ 好き ” なんでしょうか?」

「………おい」



……その質問、酷くねぇか?


どんな返しを求めてんのよ?


あ、でもそう言われてみれば……抱く前に


恋した気持ちがちゃんと “ 好き ” に変わるまで待つとかなんとか、俺が言ったんだっけ。



「ちーちゃんが自分で確信できるくらい、惚れてもらえるように頑張るよ」



その額に自分の額をくっつけて、そう告げると


目の前の大きな瞳に、うっすらと涙が浮かんだ。

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