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恋してキスして抱きしめて

第13章 夏の嵐

………また、豪快に盛ったな。


ニコニコと楽しそうに笑うから、つられて微笑んでしまう。


ぜんぜん牽制球になってねーし。


そのキラキラした笑顔のせいで、逆に野郎共を惹きつけちまうだろ。


……学生時代の俺だったら……ここが外じゃなかったら


俺は迷わず、その体を抱きしめていたに違いない。



「それじゃ、本当にありがとうございました。
ユーリさんもお気をつけて……」

「千夏」



ふわっとワンピースを翻して、構内の並木道を進もうとした千夏。


俺の声で、くるっと振り返った。




「1日早いけど、誕生日おめでとう」

「…………!!」




……あの頃と同じように


きっと俺は、本当の心で恋ができる。




「仕事が終わったら、すぐに連絡する。

来週、2人でお祝いしようぜ」


「…………っ」


「次、寝落ちしたら許さねーからな。

“ 男は途中で止めるなんて、出来ないんだ ” 」




バーチャル蓮の言葉を使って、そう告げると


千夏は恥ずかしそうに微笑んで、小さく頷いた。

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