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恋してキスして抱きしめて

第14章 友人の言葉

陽菜ちゃんの低い声で、あたしは再びクッションの上にペタンと座る。



「千夏はお兄ちゃんからいっぱいお話を聞いてたから、詳しいのかもしれないけど

本人の言葉じゃない以上、真実とは言えないの。

特に恋愛に関しては、話し手の主観も入ってるから、事実と違う事の方が多いんだよ」


「…………っ」


「彼が自分から言わない限り、聞いたらだめなの。

……宝物や、封印した扉の鍵を

誰かに勝手にこじ開けられたら……嫌でしょ?」



陽菜ちゃんの諭すような言葉のひとつひとつが、全身に沁み渡る。


……宝物や、封印した扉……


ユーリさんにとって、朱莉さんは……



「へへへっ♡なぁんてね!
ちょっと真面目に語りすぎちゃったなぁ」



陽菜ちゃんはそう言って笑うと、あたしの頭をぽんぽんっと叩いた。



「偉そうに言ってるけど。
今言ったの、全部水泳の先生からの受け売りなんだよねっ」


「水泳の、先生……?」


「うん、小学校の時のスイミングスクールの先生。
もしかしたら……千夏の彼氏とも繋がってたりして♡」

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