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恋してキスして抱きしめて

第14章 友人の言葉

「全部、見なかったことにしよう」


「………!」


「今朝の事は一度リセットして。
彼が自ら話してくれるまでは、千夏の胸の中にしまっておきな」


「……で、でも……!」


「それに、その人が元カノだとは限らないじゃない。
千夏はその人を初めて見たんでしょ?」



陽菜ちゃんはそう言って、いつものニコニコした顔に戻ったけど


その言葉にびっくりして、思わず身を乗り出してしまう。



「あ、あたし、分かるの……
あの人は、絶対……!」



ユーリさんより少し背が低いけど、スラッとしたモデル体型。


麦わら帽子と、白いレースのワンピースがとても良く似合っていて


……何よりも


第一印象で感じた、向かい合う2人の姿が


すごく自然で似合ってて、ぴったりで……



「千夏」



座った体勢から少し浮いたあたしの肩を、陽菜ちゃんは両手でぐっと押した。



「どんなに好きな人でも

彼女になったとしても

相手の過去の恋愛には、深く触れちゃダメなんだよ」


「…………!」

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