テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第14章 友人の言葉

港区の汐留エリア。


俺の勤務地であるここ一帯は、オフィス街であると同時に都内有数の観光スポットとなっていて


都市整備によって高層ビルが立ち並び、レストランやショップも数多く揃っている。


その中の一角、会社から3分程歩いた場所にある、駅から直結の総合施設。


下からオフィス・ホテルと続くフロアを通り過ぎて


BARのある20階に着き、俺はエレベーターを降りた。



「……相変わらず目立つな~」



扉を開けると、オーラをまとった後ろ姿が目に映る。


間接照明が淡い光を放ち、黒を基調としたラグジュアリーな空間。


一面ガラス張りの窓の外には、宝石のように輝く夜景が広がっているけど


バーカウンターに座り、酒を飲むその男の方が


何倍も光っているのは、誰が見ても明らかだった。



「逆ナン女は撒いたわけ~?」



そう言いながら、隣りのイスに腰掛けると


もはや代名詞ともいえる、ゆるふわツーブロックの茶髪を揺らして


大学の同級生が、顔を上げた。




「おせーよ、ユーリ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ