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恋してキスして抱きしめて

第14章 友人の言葉

………高校が一緒の夏輝を始めとして、大学に入ってから出来た仲間は多い。


同じ青春時代を過ごした奴らとは、社会人となり散らばった今でも


その絆は続いている。



「ヒメ、お前最後までSEXできたの~?」

「……は?」

「あ、違った。それはバーチャル蓮の方だ」



千夏が言ってた小説に出てくる男と、同じ名前だとしても


当然、本人からすれば意味不明な俺の発言に、ヒメは怪訝そうに首を捻った。




姫宮 蓮 (ひめみや れん)


通称、ヒメ。




当時、大学の中でカリスマ的な存在感を放っていた友人が2人いて


偶然にも “ 蓮 ” という名前が同じ、その片方が


今俺の隣りに座るヒメだ。



「バーチャル?何言ってんだお前」

「2次元の話~」

「2次元?」



と聞き返してきながらも、ヒメは既にどうでもいいといった具合でグラスを空にする。


俺としてもそれ以上説明する気はないので、バーテンダーにビールを注文した。


こんな感じで、俺とヒメは昔からウマが合うというか、気遣い無用の楽な関係だから


卒業してから年月の経った今でも、こうしてサシ飲みするくらい仲良し。




………仲良しとか、言うなよ俺。

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