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恋してキスして抱きしめて

第15章 あたしだけを、見て

『……寂しい、逢いたいって、何度も言われたよ』

『…………』

『その都度、もう少しだけ待ってほしいって、頼み続けた』



1日だけ時間を作る為に、数ヶ月走り回っていた俺が


勤めて2年目のクリスマスの夜、やっと朱莉と向き合った時


その瞳には、大粒の涙が溢れていた。



“ ごめんなさい ”

“ 弱くて、ごめんなさい ”



………謝り続ける朱莉の “ 心 ” が、既に離れていることに気付いて


それは俺を堪らなく恐怖に陥れたから


それ以来、食や睡眠を捨ててでも朱莉に逢うことは


俺にとっては、苦痛でも何でもなかったはずだった。



………だけど


そんな俺の想いや行動は、反対に更に朱莉の心を傷付ける結果になり


……朱莉は最後に、 “ 笑顔 ” で俺にこう言った。



“ 今まで、ありがとう

 ……そして、ごめんなさい ”

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