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恋してキスして抱きしめて

第15章 あたしだけを、見て

「………はぁ!?」



思わずズッコケそうになり、再びベンチに座ってしまった。


楽しみなのは分かる。

胸がドキドキするもの頷ける。

けど最後の “ コンビニで陽菜ちゃん ” って何!?


意味の分からないオチが気になり、俺は千夏の電話番号を呼びよせた。


何回かコール音が鳴ったあと



『……はいっ!』


「………!」


『千夏です!』



………その、元気な高い声が聞こえると


一気に体の力が抜けた。



『あれ?ユーリさん?』

「……ちーちゃん」

『~~~はい!///』



………あぁ、マジですげぇな。


ついさっきまで渦巻いていた不快感が、一瞬で消えちまった。


俺の声を聞いた後の、その嬉しさまでもが伝わってくるようで


携帯をさらに耳に押し付けて、自然と笑みが零れてしまう。



「胸がドキドキしてコンビニって、なんなの~?」



と聞きながら、電話の向こうから風の音がするのに気付いた。


……ん? まさか外にいるのか?

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