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恋してキスして抱きしめて

第15章 あたしだけを、見て

『今ですね、コンビニでお水を買いました』

「は?」

『さっきゼミの飲み会が終わったばかりで、今大学の近くのコンビニを出ました』

「飲み会?」

『はい!いつもは参加しないんですけど、今日は陽菜ちゃんが部活が無くて一緒だったから、初めて……』

「…………」



陽菜って誰?

部活って何?


いくつか疑問が残りつつも、その後もペラペラと話す千夏の話をまとめると



「……つまり、お前酔ってるな?」

『酔ってませぬ』

「 “ ぬ ” って……
まぁハタチになったからいいんだけど、大丈……」

『ユーリさん、陽菜ちゃんが何か言ってます』

「え?」

『交代だそうです~♡』



明らかに楽しげな千夏の声が、聞こえなくなったと思うと



『……あ、もしもし?
千夏の彼氏さんですか?』

「………!」



声を聞いただけで、賢そうだと感じる女の声。


足音と共に、電話の向こうから響いてきた。

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