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恋してキスして抱きしめて

第16章 俺は、ここにいる

「………!」


一瞬、ユーリさんの驚いた瞳が見えたけど


あたしは膝の上に乗ったまま、両手でユーリさんの頬を引き寄せた。




「……ちーちゃん?」


「キス、してください」


「………!」


「もっと、抱きしめてください」




頬に触れた手を、彼の体に沿って少しずつ下に下げていく。


首筋から鎖骨へ


鎖骨から胸へ


上だけ服を着ていないユーリさんの、トクントクンと鳴る心臓の鼓動が


あたしの右手に伝わってきた。



「………っ」



……以前、このお部屋でユーリさんがあたしにしたように


彼の薄い上唇に、自分の舌を出して這わせてみる。


閉じられたままの唇を舐めて


何も言わないユーリさんの、お腹から下へと手を進める。



「……ユーリさん……」



……あたしだけを、見てほしい。


あたしを貴方だけのものに、してほしい。


……朱莉さんという存在が、まだ貴方の心の中にいたとしても……

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