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恋してキスして抱きしめて

第3章 つまり、脅しじゃねーか!

24階に着いて、いくつかあるうち1番左の部屋の前に立つ。


何度か深呼吸をしてから、意を決して重厚な檜の扉をノックした。


………明日から、ハローワークだな。


いっそのこと、夏輝を追いかけて現実逃避でもしちまうか。



「どうぞ」

「……失礼します」



迎えられる一言なのに、既に死刑宣告を受けたみたいだ。


恐る恐る扉を開けて中に入ると


港区から東京湾までもが一望できる、大きな窓ガラスの前で


その執行人は、俺を見ると椅子から立ち上がった。



「○○事業部、営業一課の浜崎悠梨です」



扉のすぐ前で、直角90度で頭を下げる。


つむじの先から感じる、近付いてくる気配。


俺、既に足震えちゃってますけど~~



「君が、 “ ユーリ ” か」

「………え?」

「いや、忙しい所呼びつけて悪かった。
座ってくれたまえ」

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