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恋してキスして抱きしめて

第3章 つまり、脅しじゃねーか!

グズグズしてても仕方ねぇから、無駄の無い動きで革張りのソファに座ったけど


……ちゃんと聞こえたぜ、“ 君がユーリか ” って。


~~~どーいう意味?どーいう意味!?

ねぇ、俺のこと誰からなんて聞いてるの!?



「ははは、そうガチガチにならず楽にしてくれ。
君に何か圧力をかける為に呼んだわけじゃない」

「…………!」

「こう見えても、私の方が緊張しているんだ」



初めて耳にする、低くて太い声。


役員一覧から得た情報で、確か年は俺の親父と同じくらいだったはず。


大理石のローテーブルを挟み、向かい合って座った常務に目を向けると……



「…………」



“ 柔道・師範代 ”

“ アメフト・元主将 ”


瞬間的に、そんなイメージワードが頭の中を駆け巡った。


楽にしてくれと言われた体が、セメントのように固まる。


………艶のある黒髪をビシっとオールバックに固め、ぎょろっとした鋭い目。


俺の3倍はあるかもしれない体格は、その場にいるだけで威圧感がハンパねぇ。


もう既に逃げ出したい俺を見ると、常務は笑った。



「リラックスしてくれ、ユーリくん」

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