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恋してキスして抱きしめて

第3章 つまり、脅しじゃねーか!

「残った4人は、義両親、下の娘、そして私だ」



それなら、じーちゃんとばーちゃんはまだ生きてるんだな。

長生きで何より……って

ゲッ! それはつまり………!!



「義両親に助けてもらいながら、天塩にかけて育ててきたつもりだったんだが。
ちょうど20歳の誕生日を迎えたその夏に、息子が家を出て行った」



あ、なんだ、長男死んでねーのかよ。

家出か~

ハタチってことはちょうど大学2ね………ん?



「息子と連絡が取れた時、電話の向こうはミラノでね。

“ 出世払いで返すから、とりあえず100万円送ってくれ ” と一言言われたんだ」


「…………」


「その後も奴の行く国々は、ニューヨークだのロンドンだの……ついこの前は、アドリア海のクルージング中に電話が来た。

その都度金を渡しているんだが、まったくいつになったら返済を……」



~~~ダメ親じゃねーか!!


と、声を大にしてツッコミたかったが、相手は常務取締役。


それに、俺の脳裏を埋め尽くしているのは、バカ息子への過保護に関してじゃない。




“ フランス ”

“ 本場のスイーツを堪能して、パリの美術館を巡るんだ ”

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