無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「そりゃ相手はサヨナラを告げた立場なんだから。
元彼に連絡なんかしねぇわな」

「……元彼……」

「逆だろユーリ。
なんでお前から行ってやらねぇんだ」

「…………」

「逢いたいんだろ？」



俺がそうたたみかけると、ユーリはのっそりと体を起こした。


あれだけ飲んでたのに、どうしてこうスッキリと爽やかな顔を保てるんだろう。


男の俺でも、一瞬見惚れちまう。




「……そりゃ、逢いてぇよ」



蚊の鳴くような声。



「だったらさっさと行けよ。
いつまでもグジグジするな」


「…………」


「あんなバカでけぇ企業の本部で、正当法ですげー数の契約取ってるくせに

とても同一人物だと思えねぇな」


「…………」


「何を迷う必要があるんだよ」




いつものチャラけた雰囲気は完全に封印して


ユーリは弱々しく溜息をついてから、やっと俺を見た。