テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第23章 もう一度、あの場所から


「……ユーリさん……っ」



………たった、1週間。


最後に別れてから、まだ1週間しか経っていないのに


ユーリさんを見るだけで、涙が溢れてしまいそうになる。



「委員長、久しぶり。間に合った?」

「あぁ、ベストタイミング。
俺達も今こっちに戻ったとこ」



ヒカルさんともう1人の男性の会話も、遠くで聞こえるような気がしてしまう程


あたしの目には、ステージ上から周りを見渡すユーリさんしか映らなくて


あたしの全ての感覚が、ユーリさんだけに研ぎ澄まされるのが分かる。


ステージから、20メートルくらい離れた位置。


周りには、同じくユーリさんをキラキラした目で見つめる学生達でいっぱい。




……どうして、その場所にいるの……?




分からないことだらけで、ドキドキが止まらなくて


ヒカルさんが離した手を、胸の前に当てて


真っ直ぐ、ユーリさんを見つめると



「……………っ」



ユーリさんは、目を閉じて


そして、ゆっくりと口を動かした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ