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君模様

第1章 君出会い

それから、何度か集会とかで顔を会わせるとか…そんな程度。

それなのに…あの日は…急にやって来た。


《ほら、あの子だよ。》
《ぇー、あの子なの?あのショートの?》
《信じられない!!》
《《全然普通ぢゃん!!》》
教室のドアの方から聞こえてくる声。
…このクラスでショートの女子といえばー…



あたししかいない。

(なんの話してんのかなー??)


(つーか、センパイ達まで!?なんかしたっけあたし??)
なんて、自分の素行を振り返る。


そんなとき、ある一言があたしの耳にはいった。
《鷹島ってあんな趣味なんだ》
(!?)
確かにいまそーいったよね?



鷹島くんとはいわゆる、学年のアイドルというやつで…
入学してから、5ヶ月。
部のセンパイを通してその噂は、全校へと広がっていたことにあたしは、気づいていなかった。







…まさか!?

「ねぇ、ショーゴ!!もしかして、あの人だかりって…」

「ぁー、あれ?お前見に来てんぢゃね」
(軽ー!!今、さらっとまずいこといったよ?)


「…それってどういうことですかね?」
「だからー、まだわかんないの?」


(ゎかりません…)
コクッ、と頷いたあたしに、ショーゴは小声で…
『鷹島の好きな奴が、自分よりかわいいか見にきてんの』

(………!?!?!?!?)



「ぇー!!」
思わず、立ち上がってしまった。
ただでさえ、いろんな人が来てて浮いていたあたしに冷たい視線が突き刺さる。
今すぐ、この地獄の小部屋が逃げたい気分だった。



「それって、うそだったんぢゃないの?」

「ちげーよ、たぶんガチ!!」



ゎーゎーゎー!!


自分の脳内で物事を処理できなくなったあたしは…
ふらついた足のりで、教室を出ていった。

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