まなかなかなか…
第9章 2014年09月20日(土) 過去、現在、未来…生き方、夢
☆過去
小さい頃から1番上の子、しかも女の子ということで、過保護に育てられてきたまなか。
人見知りで落ち着いてて聞き分けの良い子だったから、きっと途中までは親の理想通りに育った。
朝5時に自然に起き、勉強してから朝ご飯を食べ、学校で授業を受けてから真っ直ぐ帰宅、友達と遊ぶこともなく宿題や次の日の準備をして、夜ご飯を食べお風呂に入り19時に眠る生活。
暇な時は読書をして過ごした。
週末は天気が良ければお弁当を持って家族で遠出して、悪ければみんなで買い物や図書館に行った。
ゲームはせず、テレビも見なかった。
今からは考えられないほど、良い子だった。
そんな生活を送るうちに、自分の家が少しおかしいことに気が付いた。
その当時のまなかに欲しい物はなかった。
文房具や服もママが選んで買ってくれた。
いつもママが買おうと言って買ってくれた。
何か欲しいと言ったことがなかった。
ゲームもアニメも興味がなかった。
今、甘えることやおねだり、好きな事や物を言うのが苦手なのは、これのせいが大きいと思う。
学校で耳にするゲームやテレビの話、みんなが言ってる言葉がどういう意味なのか、分からないことも多かった。
だから…寂しかった
ずるいと思った
まなかだって少しは話に入りたい
頑張って笑顔を保ったまま、ただ聞いてるだけなんて嫌だった
そこからまなかの嘘が始まった
最初はちょっとした嘘から
今思えば周りは騙されてるフリをしてくれていたのかもしれない。
でも先生や友達を騙すのは楽しかった。
ママに可哀想な子をアピールしてかまってもらえるのが嬉しかった。
この頃から体育で激しい運動をする時以外は常に眼鏡を付けるようになった。
眼鏡を外したら可愛いと言われるようになった。
それから客観的に自分を見たり他人を見たりしながら、嫌な言動や仕草や態度をしないようにした。
自分の性格も偽り始めた。
都合の悪いことは嘘を吐いた。
真面目で頭が良くて堅苦しい感じで近寄りがたいけど、一度仲良くなれば良い印象を与える子になろうと思い努力した。
そして部活を始めてコンタクトにしてから、周りの目が変わった。
毎日のように可愛いと言われた。
気軽に話してくる人がいなくなった。
どんな男の子にも○○さんと呼ばれた。
周りに人が増えた。気持ちが良かった。