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大人でもない子供でもない

第4章 見えない壁2

なにもかも、困った人をほっとけない咲野。
そんな咲野を見るたび心配になる。

耐えられなくなって亜久津は咲野に言った。


「咲野!やめとけ!俺が行く!」

「なんで亜久津が?しかも男だから無理だよ?」


「で…でもお前…!」


言いかけた時だった、有馬先生が「はい。じゃあペアと組んで各自の場所に!」

と言い、咲野は「じゃ!」と言った。

(咲野のペアは田中)


肝試し中もずっとあいつのことが頭でいっぱいだった。


ゴールしおわると亜久津は急いで咲野を探すが見つからない。

すると…

「ぎゃーーー!」と言いながら田中が1人で校舎から出てきた。

みんなは「あれ?咲野は?」「咲野ちゃんいないよ?」

と言い出した。

「あ!咲野…おいてきちゃった…」
田中は苦笑いしながら言う。

俺は知らないうちに校舎に入って咲野を探していた。


まただ。。。あいつのことになると俺はいっつも体が動いてしまう…。

でも、正直になれない…。

必死になって探していると咲野が壁に座りこんで耳を塞いでいたのを見つけた。

「さくのーーーー!!」俺は叫んで咲野に駆け寄り

「あ。。あくつ?。。なんでここ………に?」

咲野の笑顔をみて亜久津はホットして

「よかった…」と声が漏れてしまった。亜久津は咲野の手を引っ張ろうとした、その時だった、

咲野が立ち止まったので振り返ってみると
そこにはさっきまでとはちがう涙越しの咲野が居た。


「ご…め…ん…泣…亜久津の顔みたら…ホットしちゃって…涙が…とまんなく…て…」

床に落ちる咲野の涙。





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