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アクマにアソコを貸しました

第6章 ロスタイム上等じゃないですか

〈続いてのニュースです。昨夜〇〇駅で暴れた女性が、ホームで電車を待っていた帰宅途中の20代の男性にいきなり飛び付いて線路上に転落し、怪我を負わせました。
幸い二人は電車がホームに入る前に引き上げられて軽傷だと言う事です。


警察はこの女性が危険ドラッグを使用していた疑いも含め調べを進めています〉

「なんか最近こういう事件多いね〜」
朝食を食べながら梓穏が眉を寄せる。

「だねー。魔力も無しにわざわざ正気を失いたいなんて、人間て不思議」

俺も首を傾げてみせると、梓穏は俺を見て苦笑いすると、食べ終わった食器をシンクに下げて洗面所へ向かった。


「――真赭、昨日も女を“喰った”だろ」

俺はニコリと笑ってコーヒーカップをテーブルに置いた。

「あれ、判る?
少し生気をもらって、お返しに精をあげただけだよ。
――さっきのニュースに出てた女だったかもね」


京紫からため息が漏れる。

「どうして精を注いだんだ。そのせいであんな…」

既に次のコーナーに移ったテレビに視線をやる。

「だって、もらった分の生気の代わりにあげられるのはその位だし。

で?なんで俺が“喰った”って判ったの?
昨日“も”って事はずっと知ってた?」

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