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「冗談だよ。俺が、新菜に構いたかったんだ。新菜、人気あったから取られくなくてさ。」


「えっ？人気なんか無いよ？誰にも告られて無いし…。」


隆盛が変な事言うから、あたふたと慌ててコップの水を一気飲みした。


「人気あったよ。小学生の頃から薄幸の美少女が居るってな。不幸そうで、儚げで遠巻きに見てる奴等が結構居たんだぜ？」


貶してんじゃないわよ！

薄幸のって…あたし、ただの可哀想な子じゃない⁈


「全然、嬉しくない人気だね。」


「ははっ！俺は、イヤらしい目でその頃から新菜を見てたぜ。それはもう、イヤらしい目でな！」


何故二回も言う！

隆盛は、そんな前からブレずに変態してたのか…


「さっ、食えよ！何でも奢ってやるぜ。」



食べるわよ！ヤケぐいしたるわい‼︎

ありがとう隆盛、誕生日に一人にしないでくれて…。






「新菜ん家は、あれから何かあった？」

不意に家の事を聞かれて、ズキンと胸が傷んだ。


「やっと離婚したよ。早くしてくれてよかったのに…。隆盛ん家は？病院を継いだの？」


「実母の方は、死んだよ。身体が弱い人だったからね。今じゃ、病院を継いで、義母とも上手くやってるよ。それなりにね。
新菜は、大丈夫だったのか？」


「あたしは平気。もともと仲は悪かったし…。おばさん、亡くなったんだ。お葬式…行けなくてゴメンね。」


「いや、そんな事気にするな。それより、優花達のこと知ってるか？あいつら、結婚したんだぜ！」


「優花が ⁈ えぇっ‼︎ 翔平と⁉︎ 」

あたしは、またズキンと胸が傷んだ。

あの優花が…結婚したなんて思いもよらなかった。


「翔平は、昔から優花に惚れてたからな〜。五年くらい前の話だよ。」

「あの…子供はいるの？」

「あぁ…二歳の子が居るよ。」

「そ、そうなんだ。二歳の子かぁ…。」