無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

だんだん、腹が立ってきた。



あんなにあたしの事煽って…

あたしの心の中に強引に踏み込んで

呆れるほどの熱量で

あたしを求めて爪痕を残したくせに

今の隆盛は…

考えるのも恐ろしいくらい冷ややかだ。





ドアの前に辿り着き、カードキーで開錠するとやっぱり無言でドアを開け、あたしを中に引き入れた。


だだっ広いリビングに案内すると、ソファーを指差して自分はキッチンの冷蔵庫に向かった。


あたしはどうしていいか分からず、指差されたソファーにソロリと座った。


カチャカチャと、ガラスの触れ合う音をさせながら、ビールの缶とグラスを手にして現れ、隣へどさっと座るとようやく


「ビールでいい？」


「うん…。」


グラスを受け取ると、輝く黄金色のビールをあたしのグラスに注ぎ入れた。



周りの空気が、重たくて息苦しかった。