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「最悪の答えしか、想像できなかったのか…。

もしかして、他にも何あったとか？」


「他にも？…」


あたしは、胸が苦しくなってきてギュウッと目を瞑った。

隆盛は、子供をあやすように優しくポンポンと背中をなで、あたしを胸の中に包みこんでくれた。


「何があった？」


そんな風に抱っこされたかった。
あたしは、小さい子供に戻ったみたい。


「あたしには、小さい頃抱っこされた記憶がないわ。きっと愛されて無かったのね…。」


「新菜…。」


あたしは、あの思い出したくもない記憶を手繰りよせた。

「父が、あたしの誕生日に出ていったの。
雪が降ってて…凄く寒い朝だった…。

両親が、仲が悪いのは分かってた。
でも、あたしは『行かないで！』って引き止めたの。

そしたら父は
『もう、解放してくれ。
お前が生まれたから、仕方なく結婚し我慢して養ってきたんだ。
お前も、18歳ならもう一人でやっていけるだろ？
もう、勘弁してくれ！うんざりなんだ…。』


あたしは知らなかった…。
自分が生まれたのが、父には迷惑でしか無かったたんて。」