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替え玉高校生

第1章 キッカケ

「兄貴、大丈夫かよ!?」



病室の扉を開けると、頭・左手・右足に包帯をグルグルに巻いた兄貴がベットの上に居た。



「おぅ!」と手を上げる兄貴。



「たく!ビックリしたぜ、兄貴が事故に遭ったって電話が来た時はよ」



俺は近くにあった椅子に座る。



俺の双子の兄貴『咲也』は、バイトの帰り事故に遭った。




幸い命に別状は無く、骨折だけですんだ。



「いや~、マジ運がイイよな
俺」



そう言って、笑みを浮かべる兄貴。



全然、反省してねぇし・・・・・



「そう言えば、検査はもう終わったんだろ?いつ退院出来るんだ?今日か?明日か?」



俺の言葉に「いや~、それが・・・・・」と歯切れの悪い兄貴。



「1週間は入院だって」



「はっ?1週間!?」



「ハハハ」と空笑いを浮かべる兄貴。



「まぁ、イイんじゃね?1週間くらい
ゆっくり休めよ」



すると、兄貴は気まずそうな顔をした。



「それがさ・・・単位ヤベェんだよ・・・・」



「は?兄貴真面目に学校行ってただろ?」



「学校には行ってたけど、サボってばっかだったんだよな」



マジかよ・・・・・



でも、それって



「自業自得だろ?」



冷たく言い放つと、兄貴はは何かを思いついたようにパァッと顔を明るくさせた。



「裕也!俺の代わりに学校に行け!」



「はぁ!?」



何言ってんだ?


コイツ。



「双子の弟のお前なら、誰にも気づかれず俺の身代わりが出来るはずだ!」



まぁ・・・・・


確かに、俺達双子は親や親戚が間違えるくらい良く似ている。



「な?頼む!この通り!一生のお願いだ」



両手を合わせ、俺を拝む兄貴。




まぁ、兄貴には色々迷惑かけてるし・・・・・・・・



仕方ねぇか・・・・・・・



「分かった、やるよ」



俺の言葉に「マジか!」と嬉しそうな兄貴。




こうして、俺は明日から『咲也』として、兄貴の通う学校に行くことになった。





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