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ワタシの履歴

第16章 逆療法

まゆみサンは

「分かった」

と言って、出来る限りフォローすると言ってくれて、でも、自分の力で頑張ってね、とも言った。

普通ならこんな面倒な子、雇うの嫌がる人も多いのに、嫌な顔せず、雇ってくれた。



私の名前はそのまま『輝子』になった。

『私』が、ちゃんと『輝子』のまま『元の私』になれるように。


この日は、まゆみサンとずっと同じ人に付いた。

『自己紹介…ちゃんと笑顔で出来るだろうか。話が出来るだろうか』

「今日からの輝子ちゃんで~す。初めてだから怖がらせないでね」

と言って、フォローしてくれた。


まゆみサンは、とてもいいお客様につかせてくれた。

穏やかに飲む人で、お触りなんてして来ない。

緊張している私に気遣い、話題を振ってくれる。

まゆみサンとお客様で、お酒を作るタイミング、タバコに火をつけるタイミングなどを優しく教えてくれた。

それでもやはり恐怖心はあって、ビクビクしながら1日目が終わった。

「輝子ちゃん、どうだった?」

「あ…まだ怖いですけど、でも大丈夫です」

「うん。そっか。じゃあ明日また来れる?」

「はい。大丈夫です」

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