テキストサイズ

ワタシの履歴

第20章 苦悩

私は、恵に言えなかった。

恵に言えば、きっとまた私と一緒に泣いてくれただろう。

そして、夫に言うと言い出すだろう。

嬉しいし、有り難い。

でも、私が人に相談する事を嫌う夫は、間違いなく私に切れる。

そしてきっと、恵の事も怒るはずだ。

恵は元ヤンだし、そんな事ではひるまないとは思う。

でも、夫の暴言で恵を傷つけられたくはない。

そして、恵と会う事を禁止するはずだ。

それだけは絶対にイヤだ。



それに、パチンコ屋にさえ行かなければ、私は大丈夫だった。

行くと、またあのなんとも言えない気持ちでいっぱいになってしまうだけで。



そんなある日、私は初めての恐怖を味わった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ