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涙も出ないくらいに。

第1章 偶然の再会

湊 柊とはそこまで仲はいい方ではなかった。

用がある時以外は話さない、そんな関係だった。



「高校に入学して一ヶ月も経つのに、初めてあったな俺ら!」


そうやって笑顔で言ってくる湊が、

私にとっては眩しくてしょうがなかった。


「お前もここの駅使うの?」


「え?う、うん…」

あまり話したことがなかったから、

少し緊張してしまう。



「ってことは降りる駅も一緒だよな?」

「たぶん…?」




「じゃあ一緒に帰ろーぜ!なんなら家まで送ってくよ!!」


そうは言ってくれるが、申し訳ない感じがした。


「いいよ、湊だって疲れてるだろうし、遠回りになると思うし…」



「んなこと気にしなくていーんだよ!夜遅いしお前一人じゃ危ないだろ?」






結局何度断っても行くと言い張るので、

お願いすることにした。


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